【JACKSON’S】NYにあるドラムショップ
今週はとある用事でニューヨークにきております。
ニューヨークはマンハッタン、タイムズスクエアのど真ん中に、Steve Maxwell Vintage and Custom Drumsという老舗のドラムショップが佇んでおります。そこにはありとあらゆる一級品のヴィンテージや新製品のドラムセット、スネア、シンバルが置いてあり、NYで第一線で活躍してるドラマーもよく訪れます。
私はニューヨークに行くたびにそこに立寄り、閉店近くまでシンバルやスネアを試奏しているのですが、最後には必ずシンバルを買ってしまいます。なぜかというと、シンバルを仕入れてくるSteve Maxwellのスタッフの腕がいいのです。
最初に話しておきますと、シンバル、コンピューターではなく人の手でハンマーを打って作られるジャズのシンバルなどは、同じシリーズでも、形、重さ、仕上げなどにより音に個体差があります。そうした個体差は音程や倍音の出方、耐久性や、使っていくにつれて音が熟成される、という点において多いに関係してきます。
メーカーがシンバルをお店に卸す場合、シンバルのメーカーが選ぶ場合と、お店のスタッフがシンバルのメーカーに出向き、何枚も試奏し、選定するケースがあります。steve maxwellでは、信頼できるスタッフの長年の経験により選定された、良いシンバルがたくさんストックしてあります。また世界中の一流のドラマーがしょっちゅうシンバルを売りにきているので、良いシンバルに出会える可能性が大きいのです。
ドラムショップの全てがそうではありません。そういった選定などは、お店側に時間とコストがかかるので、同じシリーズのシンバルの何枚かを試奏してみて買うということができないお店もあったりして、簡単には自分に合ったシンバルに出会う事ができません。
さて、今回滞在している間に、ものすごくビビっときたのが、このIstanbul Agop Signatureというシンバルの 22インチです。昔々シンバル生誕の地トルコで一流の職人をしていたAgopという方が立ち上げたメーカーで、このシリーズは創始者の息子たちが父の偉業をしのび、当時のジャズシンバルの製法やサウンドにできるだけ近づけるために、様々な特別なプロセスを経て開発、製造されたものだそうです。重さは1966gでこのサイズのシンバルにしては軽いです。
一概に、重量は軽ければいい訳ではないですが、一般的に、シンバルは薄いほど・大きいほどピッチ(音程)が低くなります。音程が適度に低いシンバルは主にアコースティック音楽・ジャズにおいて他のアコースティック楽器の音色と心地よく混ざります。Ryu Matsuyamaのライブ、レコーディングでもよくジャズのシンバルを使用したりしています。
シンバルについて話すとめちゃくちゃ長くなってしまうので今日はこの辺で。このシンバルがライブでお披露目される日をお楽しみに。