【JACKSON’S】
“Keith CarlockとSteely Dan”
“Keith CarlockとSteely Dan”
今回は好きなドラマーKeith Carlockを紹介すると共に、思い出深いシンバルを一枚紹介したいと思います。
Sting, Steely Dan, TOTO, John Mayer, Wayne Krantz,Oz noy などで活躍しているドラマーKeith Carlock. 重戦車のような怒濤のグルーヴと繊細で華麗なソロで、世界の第一線で活躍しているドラマーです。
彼を知ったのは2003年位のヤマハのドラムのカタログでした。(現在はグレッチというドラムメーカーと契約を結んでいます)以前から好きだったSteely Danというバンドのライブやレコーディングで彼がドラムを叩いている、と書かれていました。
Steely Danというバンドはドラムには世界一うるさく、1つの曲を完成させるにあたって、世界中から一流のドラマーを10人くらいアメリカに呼び寄せ、何も知らせずにレコーディングさせて、一番いいプレイをしたドラマーのテイクを起用するといったエピソードがあるくらいです。
そんなSteely Danのお眼鏡にかない、Steely Danのドラマーとして不動の地位を得たKeithに興味が湧かないはずがありませんでした。
暇さえあれば、彼の教則ビデオ、彼が参加しているバンドのCD、彼のモデルのスネア、彼のモデルのスティック、そして彼の使用しているシンバルなどをチェックしていました。
そして、彼のドラムのこだわりのユニークさに、ますますハマっていくのでした。
まず、ドラムのセッティングですが、太鼓の打面が、演奏者に対して水平ないし少し外側(客席側)に角度がつけられてセッティングされていること。このことについてKeithはアメリカのドラム雑誌のインタビューか何かで、「このセッティングだったら、他の人に勝手にドラムセットに座られて演奏されることはないだろ?」とジョークが載っていたのを覚えています。座るイスの高さ、スティックの握り方、独特のフォームから、このセッティングが彼にとって最適なんだという解釈をせざるを得ません。
そしてスネアドラム。当時彼はヤマハのブラススネア、口径は14で深さが4の浅めのスネアを愛用していました。レスポンスがよくブラスという素材のおかげで低音も申し分もない、パワフルでキレのある音。Steely Danのアルバム、Everything must goでも聴く事ができます。
シンバルは演奏者からすごく近くにセッティングされ、ドラムセットに若干かぶっています。スピーディに演奏するためにこのような位置なのだと思います。20インチのシンバルが左と中央、19インチのシンバルが右側に置かれていました。ジャズシンバルを好む彼ですが、右側のシンバルだけロックシーンでも使うようなZildjian A Custom Crash というシンバルがセッティングされています。彼のアグレッシブなプレイを担うため、クラッシュとライドシンバルの両方の役割を果たしつつ、他の二枚のシンバルとキャラクターの異なる音を求めた結果、このシンバルにたどり着いたのだと思います。
そんなある日、彼が日本に来日し、ドラムセミナーを行った際、使用した19インチの右側のシンバルをサイン入りでゲットしました。確かにピッチも低く、どのようなシチュエーションでも対応してくれそうなパワーと煌びやかさを備えています。NYに行った際、彼のライブにも行く事ができました。そこで偶然Steely DanのTシャツを着ていた事、シンバルをゲットしたこと、SteelyDanに対する愛を伝える事ができたのはよい思い出です。
Wayne KrantzのトリオでのKeith Carlockの演奏
Steely DanでのKeith Carlockのソロ
John Mayer TrioでのKeith Carlockのソロ